学生 地元に就職して奨学金返済免除のニュース。

2014年12月23日
Facebookで面白い記事を発見。
元key局のアナウンサーのコラムでしたが、そこには恐れを知らぬ論理が。
昨今話題になる、我が国が抱える大きな課題である少子化。
これに対する解決方法として、一部では女性の社会進出が取り沙汰されていますが、某元アナウンサー氏は、自身のコラムで『女性の社会進出と少子化問題はリンクしない』と、大上段に構えた刀を振り下ろしています。
女性の社会進出を促進すると何が起きるかというと…。
一般的には、女性が働きやすい世の中になって、彼女たちが出産しやすい環境が作り出されると考えられているのですが、一方で、某元アナウンサー氏は、個々の家庭の経済的な問題や出産育児に協力的でない社会は、少子化を招いた核心ではない、つまり、女性の社会進出は少子化対策には繋がらないと唱えているのです。
このコラムに対する反響はすさまじく、彼はちょっとした渦中の人物になったとか…。

まぁ、それはともかく。
では、彼が考える少子化を招いた核心は何なのか?
それは、『女性が「この人の子供を産みたい」と思える男性が減ったからだ』とういのです。
具体的な話から急に抽象的な話にすり替わってしまって、なんだか肩透かしを食らった気がしますが…。
しかし、まぁ、この意見はこの意見なりに、ある意味で核心を突いているのかもしれません。
確かに、世の中の男子の多くは、意気も粋も失ってしまった。
男子よ、頑張れ。やせ我慢してでも違いの分かる大人を目指すのだ。
そして、愛する誰かと子供を持とう。

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この少子化により全国各地で起きている人口減、人口流出。
これに対処するために、政府は地方創生を旗頭にして、あるファンドを立ち上げると発表しました。
『15年度から、地方に就職する学生に学費を支援する制度を開始。』
地方に就職する学生の奨学金返済を国庫が援助、負担するというものですが、人口流出に悩む地方都市には、特に流出率の高い20歳前後の若手を地元に繋ぎとめる策として期待がかかります。
しかし、支援対象の学生はどうやって選抜など、その運用方法が気になりますなぁ。
どうか、絵に描いた餅になりませんよう。
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地方創生 島根県に学ぼう。

2014年11月10日
少し前に、『ふるさとしずおかの人口 37年ぶりに370万人割り』 というニュースを取り上げましたが、このうち静岡市の人口は約71万人。
少ない、減ったとはいうものの、実はこの数値は島根県全体の人口よりも多いのです。
全国にはもっともっと深刻な状況を抱える自治体があるんですね。
島根県というと、ふるさとしずおかからは遠く離れた西国の地。
しかし、なんといっても唯一『大社』を名乗る出雲のおおやしろが鎮座まします
葦原の中つ国の中心地です。
つまり、古代の日本では極めて重要な『国』だったのです。

その島根県。数日前に話題になりました。
この人口減少の問題を先取りし、見事に成果が上がり始めたというのです。
うーむ。それはすごい。
一体どんな取り組みをしたのだろう?

13年は、出雲大社の60年に1度の遷宮の年でした。
また、今年は、高円宮典子さまと出雲大社宮司の千家国麿さんのご結婚もありました。
これらが追い風になったことは間違いありませんが、実は、島根県は人口誘致活動に20年以上も前から取り組んでいたといいます。行政が中心になってふるさと島根定住財団を設立し、空き家紹介や定住支援員などの配置などの先進的な人口誘致の施策を行い、これが実を結んだのです。
これまでに、定住支援によるUIターン者は2,900人、最長1年の体験就業(生活費支給)に参加した1,500人のうち、実に45%が終了後も島根に残っているのだそうです。
今、島根県は、全国の注目を集めています。

ふるさとしずおかは、東京から新幹線でわずか1時間。
この近くもなく遠くもない距離感が、何とも言えないポジションを産んでいます。
人口も、減っているとはいえ多くもなく少なくもない。
街の風景も、都会のようでもあり都会のようでない。
この中途半端さが危機感の高揚を邪魔します。
島根県みたいに頑張らないといけませんね。
こんなに魅力のあるところはそうそうないのだから。

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一度止まると書いて『正しい』と読む。

2014年11月1日
総じて社員の年齢が若く、管理職も一般職もそれほど年齢に差が無い会社でよくあることですが、奇抜な意見を言う人が評価され重用されることがあります。
これまでの視点が変えられなくて、知恵を絞っても絞っても妙案や打開策が見つからないとき、突然、まったく違う色合いの意見が出てきて、それを新鮮で効果的なものと感じる心理はわかります。
しかし、それは正しい決断なのか?
奇抜な意見を言う社員が優れていて、旧来の殻を破れない社員が愚鈍なのか?
ちょっと立ち止まって考えてみる必要があります。

新しいことをやろう。
これまでと違ったことをやろう。
新規事業を立ち上げるのだ。
希望があります。創造的で素晴らしい。前進していると実感が持てます。
しかし、これまでやってきたことは本当に価値を失ったのか?
これも、一度立ち止まって考えてみたいと思います。

地域企業の経営では、よく上記のような場面が見られます。
そして、たいていの場合、奇抜な意見、奇抜な発言の社員、新しい事業にスポットライトが当たります。
でも、私はいつも思うのです。それでよいのか?もう一度よく考えてみよう と。
大企業には、刀や弓もあれば槍や鉄砲だってあるかもしれません。大資本と業歴によって、彼らは実に多岐にわたる武器を手にしているのです。
しかし、地域企業やベンチャーは、刀なら刀、弓なら弓といったように、たった一つの武器で戦わなくてはなりません。
つまり、そのたった一つの武器を研いで研いで研ぎぬいて戦わねばならないのです。

実は、転職についても全く同じことが言えます。
去るべきか、残るべきか。受けるべきか、辞退すべきか。
これらの岐路に立った時に優先して考えなくてはならないのが、手にした武器で戦えるのかということと、その選択は自身の将来や目的に合致しているかという2点です。
この是非を冷静によくよく吟味したうえでの決断であれば、私はどちらにしても英断だと思うのです。
まぁ、そうは言っても人生いろいろありますから、九死に一生どころか十死に零生でも腹をくくらなくてはならない時もあるんですけどね。
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氷河期の戦い方。

2014年10月21日
先月の22日に、就職支援財団が発表した県内企業の採用活動に関する調査によると、実に66%を超える企業が『前年よりも採用は厳しくなった』と感じているそうです。
つまり、新卒者の採用、人材市場は完全な売り手市場に移行したということです。
なんだか実感が湧きませんねぇ。
きっと、同じように感じる皆さんは多いと思います。

なんと、70%に近い企業で内定辞退者が出ていて、内定辞退が前年よりも増えたと回答している県内企業は35%に上るといいます。特に建設や小売り・サービス業で。
これらの業界は大手が攻勢を強めていますから、まさに学生の大手志向を反映しているといってよいと思います。つまり、大手に競り負けているんですね。
地域企業なりの良さが応募者に伝わりきれていないようです。
まぁ、いつの時代も売り手市場と大手志向は比例するもので、一時期はこれがミスマッチ代名詞にもなりました。

一方で、中途採用の市場はどうなのでしょう?
中途はぱっとしませんなぁ…。
静岡労働局の報告によれば、静岡県の有効求人倍率は、全国平均に遅れること3ヶ月、14年1月に1倍を超えてからはなんとか1倍台を維持していますが、これがなかなか上昇には転じません。
なにしろ、製造業が伸びない。一部を除いて求人件数改善のスピードが上がらない。
かつてのように、広範囲の職種の人材を求め、雇用の受け皿になった時代は終わったんですね。
代わってその役割を期待されているのがサービスや介護・医療業界ですが、この業界への労働移動は簡単ではありません。なにしろ、賃金が低いのです。

ふるさとしずおかの地域企業が積極的な採用に転じないのは、つまり、モノやサービスが売れないからです。
要は、売れるようになれば積極的な採用が始まるわけですが、これは簡単なことではない。彼らが独自の輝きを取り戻すには、どうしたらいいんですかねぇ。
それを真剣に考えて経営者に提案できるような人材がいたら、その人は絶対採用されると思うんですけどね。
そろそろ『御社の経営理念に共感して…』なんて誰もが口にする口上は止めて、『こうしたら絶対売れます。それを私にやらせてください』くらいの意気込みで転職活動をしてみませんか?
私がちゃんとバックアップしますから。
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正社員って何なんだ?

2014年9月29日
ブラック企業という言葉がすっかり市民権を得ています。
私は、この言葉がどうも好きになれませんが、こういう業界に長く身を置いていると『〇〇社はほにゃららだ…』などとブラックな噂話を耳にすることも結構あります。
確かに、人材を消耗品のように考えた事業の進め方をする企業は存在します。
しかし、これも程度の問題なんですけどね。
事業理念の実現とマンパワーを絞り出すことは、いつの時代もせめぎあいの関係になりやすいのです。
だって、頑張らなきゃ夢は実現しないもんね。
そう、程度の問題なのです。
労基法云々の前に、そこに労使双方の良心が存在しないといけません。

しかし、一方ではこれまで以上に働く人々のことを重く考える企業も増えてきました。
我が国の人手不足はそれほど深刻な局面を迎えているのです。

この春から秋口にかけて、大手流通系企業のアルバイト・パート正社員化のニュースが相次ぎました。
ふむふむ。そうか。
ん?待てよ。短時間労働の正社員ってありなの?
そもそも、正社員って何なんだ?

私のところに来てくれる相談者のみなさんは、100%正社員希望です。
そこで、試しに聞いてみました。『正社員ってなんですか?』。
答えの多くは『賞与がある』、『雇用が安定している』の二種類。
でもねぇ…。これって半分は当たっているけど半分は当たってないんですよね。
正社員でも賞与が無いことはあるし、雇用契約だって打切られることはあるのです。
しいて言えば、『正社員』というのは、雇用期間に定めがない、フルタイム勤務で時間外勤務に定めがある、くらいしか特徴が無いんですよね。

こうして考えると、なんだか正社員の正体ってはっきりしない。
いっそのこと、そろそろやめませんか?
正社員って名称に振り回されるのは。
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『みつめよう。ふるさとしずおかを』

2014年9月1日
『県内企業 新卒応募 4割減』、『首都圏、大手に人材流出』。
一月ほど前、こんな新聞記事が目にとまりました。

それと前後して、『県内人口22年ぶり370万人割れ』、『人手不足 物価を押し上げ』など、ふるさとしずおかの地域社会、地域経済の危機を知らせるニュースが相次いで発表されました。
今、我が国とふるさとしずおかに、大きな変化の波が押し寄せています。

このような統計的な情報が示す事実は、日常生活の中ではそれほど強い実感を伴うものではありません。
しかし、少しづつ、そして確実に、私たちの生活にこれまでになかった変化が起きているのです。

例えば、かつて私たちのふるさとしずおかは、日本の地方都市の中でも仕事が潤沢にある地域でした。
しかし、現在の有効求人倍率は全国平均の1.09倍に対して1.07倍。僅かづつ上昇しているとはいえ、08年のリーマンショック以来、実に6年にもわたって全国平均を下回っています。

人口が減少し、貴重な人材が首都圏に流出しはじめています。
ふるさとしずおかにもキラリと光る魅力ある企業はたくさんあるにもかかわらず。
今、私たちが暮らすこの地域社会について、真剣に考え、行動することがもとめられています。

ふるさとしずおかを再び輝く地域に。

私は、そんな思いでこの事業を営んでいます。

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